競合他社との差別化が難しい…
安定的に新しい顧客を獲得していきたい…
ノウハウを生かして新しい市場で事業を展開したい!
このような悩みを解決するにあたり、ブランド・エクイティの確立は魅力的な施策のひとつです。
ブランド・エクイティの確立には様々なメリットがあり、上手く構築できれば安定的にビジネスを成長させつつ、挑戦的な事業を展開できるようになります。
とはいえ、一言に「ブランド・エクイティ」と言われても、ピンとこない方も多いはず。
本記事では、ブランド・エクイティの構成要素を成功事例と照らし合わせて具体的に解説いたします!
もちろん、ブランド・エクイティの測定方法もご紹介するのでご安心ください。
ブランド・エクイティとは?
ブランド・エクイティとは、消費者が感じる目には見えない価値としての「ブランド(brand)」と、資産を意味する「エクイティ(Equity)」を組み合わせた言葉です。
成り立ちからもわかるように、特定の形を持たない「ブランド」を株式のような「資産」として捉える考え方をブランド・エクイティと呼びます。
ブランド・エクイティは、ブランドが消費者に与えるすべての価値を考慮します。
例えば「コカ・コーラ」が持つブランド・エクイティは、次の通りです。
コカ・コーラのブランド・エクイティ
- どこでも買える
- ユニークな味
- 清涼感
- 赤色のラベル
また、ブランド・エクイティは、ポジティブなものだけではなくネガティブな印象も含めて評価するのが一般的。
そのため、社会的な信用を失うような事件を起こしたり、顧客が望まないような方針転換を行ったりすると、ブランド・エクイティが一気にマイナスへ落ち込んでしまう可能性もあります。
しかし、ブランド・エクイティを上手に確立できれば、競合他者との差別化を効果的に行うことができるでしょう。
ブランド・エクイティを確立するメリット
ブランド・エクイティを確立するメリットには、以下2つのポイントがあります。
ブランド・エクイティを確立するメリット
①消費者の安心と満足につながる
②企業の安定的な成長に貢献
消費者側と企業側、両方の立場から得られるメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。
1.消費者の安心と満足につながる
ブランド・エクイティの確立は、企業だけでなく消費者にとっても大きなメリットに!
消費者が快適な生活体験を得るためにもブランドは大切な要素です。
具体的にどのようなメリットがあるのか、一例を挙げると次のようなものです。
消費者のメリット
- 商品を購入する際の安心感が向上する
- リッチなブランドのイメージが、利用者に優越感を与える
以下でより詳しくメリットについて説明します。
商品を購入する際の安心感が向上する
何かを購入するうえで、商品ひとつひとつの品質や衛生面が安心・信頼できるかどうかを消費者が吟味するのは大変な労力がかかります。
しかし、購入しようとしている商品のブランドの知名度が高ければ、吟味する時間や労力をかけることなく、消費者は安心して商品を購入することができるようになるのです。
リッチなブランドのイメージが、利用者に優越感を与える
誰もがドイツ製の自動車であるベンツに憧れるのは理由は、品質だけではありません。ベンツというブランドが持つリッチなイメージが、所有者に威厳を持たせるのです。
また、アップル製品が持つ「スマートさ」はどうでしょうか?確かにあのシンプルなデザインがスマートさを演出しているのは確かでしょう。
ですが、それ以上に私たちがアップルというブランドに対して抱いているイメージも「スマートさ」を感じる大きな理由となっています。
2.企業の安定的な成長に貢献
以上のような消費者にとってのメリットの積み重ねこそが、企業側のメリットにつながっていきます。
特に下記のようなメリットは、全ての企業が喉から手が出るほど欲しいものではないでしょうか?
企業のメリット
- 新規顧客の獲得を促進
- 強固なブランド・ロイヤリティを形成
- 激化する競争からの解放
- 新たな市場への展開・拡張に貢献
より詳しく見ていきましょう!
新規顧客の獲得を促進
ブランド・エクイティの向上は、既存の顧客満足度の上昇に繋がります。
一億総シェア時代である現代において、商品に満足した顧客は次に何をするでしょうか?
そう、その顧客は親や友人、あるいはSNSのフォロワーなどに商品をおすすめしてくれるのです。
言い換えれば、既存の顧客が新しい顧客を連れてきてくれるというわけです。
このようなバイラル効果が、新規顧客の獲得促進へとつながります。
強固なブランド・ロイヤリティを形成
商品に対して大いに満足した顧客は、ニーズが生じたときに再び同じブランドの商品を購入してくれるでしょう。
いつも同じ、あるいはそれ以上の満足を得ることができれば、新規顧客がリピーターになります。
つまり、ブランドに対するロイヤリティを獲得することができるのです。
ブランド・ロイヤリティを多く獲得できれば、安定した売り上げを維持することができます。
激化する競争からの解放
リピーターが増えると、他社との激化する競争から離脱することができます。
また、同じ市場で新しく参入したいと考えている企業にとって、強いブランドを持つ自社は参入障壁となり、競争を抑えることも可能です。
さらに、他社との差別化に成功していれば、競合よりも高い「プレミア価格」での販売にも顧客は納得してくれるでしょう。
新たな市場への展開・拡張に貢献
高いブランド・エクイティを活用すれば、新しい市場への展開も有利に行うことができます。
すでに類似した市場でポジティブなブランド・エクイティを確立できているならば、顧客からの期待も大きく、それがさらなるアドバンテージとなるのです。
ブランド・エクイティの構成要素【アーカーモデル】
ここまでブランド・エクイティを確立することで得られるメリットをご紹介しましたが、次のように思った方もいるのではないでしょうか?
メリットがあるのはわかったけど、ひと言でブランド・エクイティと言われても具体的に想像できない
結局、ブランド・エクイティって一体なに?
カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールのディビッド・アレン・アーカー名誉教授はブランド・エクイティを次のように定義しました。
ブランド・エクイティの定義
ブランドの名前やシンボルと結び付いたブランドの資産(または負債)の集合であり、製品やサービスの価値を増大させるもの
アーカー教授はブランド・エクイティを5つの要素に分解して提示しました。
- ブランド・ロイヤルティ(Brand Loyalty)
- ブランド認知(Brand Awareness)
- ブランド連想(Brand Associations)
- 知覚品質(Perceived Quality)
ひとつひとつ詳しく解説していきます。
ブランド・ロイヤルティ(Brand Loyalty)
アーカー教授は、ブランド・エクイティのなかでもブランド・ロイヤリティに特別な地位を与えています。
つまり、最も大事な要素の一つとしているのです。
ブランド・ロイヤリティとは、ブランドへの忠誠度や愛着度を表しており、獲得することで次のようなメリットが得られます。
- リピート率が上昇
- 顧客が競合他社の商品へ乗り換える可能性を低下
- ブランドに愛着をもつ顧客は、購入した商品の宣伝を自発的に行ってくれる⇒新規顧客の獲得
以上のような効果が安定的なビジネスの構築に役立つことは明らかでしょう。
自社がブランド・ロイヤリティをどれだけ獲得できているかは、「顧客推奨度調査」で測定することもできます。
「顧客推奨度調査」
顧客に「そのブランドを親しい人に勧める可能性がどれくらいあるか?」と質問
⇒ 勧める可能性が高ければ高いほど、ブランド・ロイヤリティを獲得できていることになる。
ブランド認知(Brand Awareness)
ブランド認知とは、文字通りブランドが認知されている度合いを表しています。
とはいえ、現在使われている「ブランド認知」は、アーカー教授が提唱していたブランド認知(Brand Awareness)とは異なります。
つまり、たんにブランドの名前を知っているだけでなく、企業文化やサービスの内容まで理解している状態を表すのです。
コカ・コーラが構築したブランド認知を以下に例示します。
コカ・コーラのブランド認知
「炭酸飲料である」
「赤いラベル、特徴的な味」
「ごくごく飲める清涼感」
「コンビニや自動販売機で買える」
例えば私たちが「手軽に何か飲みたいな~」と思ったときに、コカ・コーラが選択肢の一つとして思い浮かぶのは、このようなブランド認知のおかげです。
また、知らないブランドよりも知っているブランドの方が安心できるという消費者の心理も影響し、より選択される可能性が高くなるでしょう。
ブランド認知を測定する方法には「ブランド第一想起率」があります。
「ブランド第一想起率」
1.モニターとなる人にカテゴリーを提示
2.知っているブランドを挙げてもらう
3.そのなかで”一番最初に”自社のブランドが挙がった割合を測る
このブランド第一想起率は、ニーズ(例:手軽に何か飲みたい)が生じたとき真っ先に思い浮かぶブランドを調査することができます。
そのため、市場シェアと高い相関関係を示す指標として信頼できるのです。
ブランド連想(Brand Associations)
ブランド連想とは、消費者がブランドの名前を聞いた時に思い浮かべるブランドイメージのことです。
それらの連想は主に広告や口コミ、商品を実際に使ってみたときの自分の体験に基づいて形成されたもの。
主な連想の内容を例示すると以下の通りです。
ブランド連想
◎商品・サービスの内容
◎デザイン性(スマート?ファンシー?)
◎主力としている商品のイメージ
◎イメージキャラクターをしている芸能人
◎知り合いがそのブランドの商品を利用している
これらの連想は、あくまで顧客が主観的につくるイメージなので、コントロールしにくいという難点があります。
ですが、ブランド連想はブランドに対して愛着を持ってもらったり、指名買いをしてもらったりできるだけではなく、競合他社との差別化を図るうえで強力な基盤となりえます。
そのため、「何によってブランドを連想させるか」「どのようにブランドを消費者に印象付けるか」などを戦略的に考えることが重要です。
知覚品質(Perceived Quality)
知覚品質とは、ブランドが展開する商品やサービスに対する品質イメージを指します。
ここで言う「品質」は、あくまで消費者が認識する品質であるという部分に気を付けなければいけません。
つまり、自社の商品が競合に比べて明らかに品質が優秀だったとしても、消費者がそのように思っていなければ、知覚品質が高いとは言えません。
知覚品質には、たんに性能だけでなく、漠然とした雰囲気(パッケージデザインや清潔さなど)やブランドに対する信頼性などが含まれています。
そのため、ブランドの知覚品質を向上させるには、信ぴょう性(権威性)や説得力を持って価値を伝えていかなければなりません。
とある経営学者の研究によれば、知覚品質で下位20%に属するビジネスのROI(投資収益率)は平均して約17%であるのに比べ、知覚品質が上位20%ではROIが約2倍になっています。
このことからも、消費者が抱く知覚品質も大切な要素の一つであることがわかりますね。
その他のブランド資産(Brand Assets)
競合他社と差別化し、ブランドを守る力も資産として評価されます。
以下はその一覧です。
その他のブランド資産
- ブランド名やロゴなどの商標権
- 著作権といった知的所有権
- 取引先との強い関係性
- 自社にしかない独自技術やそれに基づく特許
- 従業員の持つノウハウやスキル
- 顧客との関係性
ブランド・エクイティ・ピラミッド【ケラーモデル】
ブランド・エクイティの構成要素は理解できた…でも、どうすればそれを確立できるの?
それぞれの構成要素に優先順位はあるのかな?
ブランド・エクイティに関するモデルは、アーカー教授によるものだけではありません。
ダートマス大学のケラー教授は、アーカーモデルよりも顧客の視点に立ったモデルを提示しました。
ケラーモデルは、ブランドをマネジメントしていく過程をピラミッド型で表現しており、その優先順位がわかります。
ピラミッドには4段階あり、さらにブランド価値を高める過程として「理性ルート」と「感情ルート」が明示されて合計6ブロックで表現されることが一般的です。
レベル1:ブランド認知(Brand Identity / Salience)
ブランド認知は、ブランドの知名度と市場における立ち位置を指す概念です。
つまりブランド構築において、顧客がブランドを見たとき、明確に競合との区別ができるだけの認知度を広めることが第一段階だということになります。
これからピラミッドを積み上げていくうえで基盤となるブランド認知は、可能な限り盤石なものにしていかなければいけません。
「どのような商品・サービスを提供しているのか」、「競合他社とは何が異なるのか」を知ってもらい、これらの知識をブランド名やシンボルと結びつけてもらう段階となります。
以下のような施策を通じてブランド認知を高めていきましょう。
ブランド認知を高める施策
- なぜ他社のブランドではなく、自社のブランドを選ぶべきなのかを明確にする。
- 市場調査を通じてターゲット層がどのようなニーズを持っているかを明確にする。
- 顧客のペルソナを明確にし、対象となるターゲット層をめがけてSNSやWebページで広告を打つ
レベル2:ブランドの意味づけ(Brand Meaning)
ブランドの意味づけとは、アーカーモデルで言うところの「ブランド連想」にあたる段階です。
ブランドの商品やサービスがどのような価値を顧客に提供し、どういうイメージを持って欲しいのかを消費者に伝え、それが目的に沿って伝わっているかどうかを調査する段階とも言えます。
このブランドの意味づけにおいては、以下のように理性的なルートと感情的なルートがあります。
ブランドの意味づけ
- ブランドのパフォーマンス(Brand Performance)- 理性的なルート
顧客:ブランドの特徴や価値を理解しているかどうか
企業:ニーズに合わせた機能や効能を持っているかどうか - ブランドのイメージ(Brand Imagery)- 感情的なルート
顧客:良い印象やイメージを持っているかどうか
企業:商品やサービスの利用を通して持ってほしいイメージが明確かどうか
どちらのルートでブランドの意味づけを行うにしろ、競合と差別化している部分をきちんと顧客に理解してもらう必要があるでしょう。
ブランドの意味づけをするうえで、次のような施策が有効です。
ブランドを意味づけする施策
- 商品やサービスに対するネガティブなレビューを分析し、自社が行っている宣伝が約束している価値と実際の商品やサービスが提供する価値にズレがないかを調査する。
- 商品やサービスが提供する価値を正確に反映した宣伝を行う。
- パッケージやロゴ、一貫したビジュアルデザインなどを効果的に用いる。
レベル3:ブランドに対する反応(Brand Response)
ブランドに対する反応とは、文字通り消費者がブランドに対する評価や反応を調査する段階です。
アーカーモデルで言えば「知覚品質」に相当します。
このレベルにおいても理性的なルートと感情的なルートがあり、次のような特徴を持っています。
ブランドに対する反応
- ジャッジメント(Judgments)- 理性的なルート
顧客:他社と比較して品質や機能が優れているかどうか
企業:品質や機能が差別化できるレベルに達しているかどうか - フィーリング(Feelings)- 感情的なルート
顧客:安心して利用できたか、楽しかったか、操作にストレスを感じなかったか、など
企業:効果的に品質や機能を演出できているかどうか
ブランドに対する反応を良くするうえで以下の施策が有効です。
ブランドに対する反応を良くする施策
- 顧客のフィードバックをSNSなどで分析して不満や問題点を特定し、それらを改善する。
- アンケート調査をする。
- 顧客との感情的な絆を構築するために、特典やスペシャルセールなどを提供する。
レベル4:ブランドに対する共感や同調(Brand Resonance)
ブランドに対する共感や同調は、アーカーモデルで言えば「ブランドロイヤリティ」に当たる部分です。
つまり、ブランドへの愛着や信頼感などを構築する段階。
ブランドロイヤリティと同様に、この段階までくれば顧客はブランドの商品をリピートし、積極的に知人などに勧めてくれます。
安定的な新規顧客の獲得にもつながるため、ブランド・エクイティを確立するうえでの最終目標と言えるでしょう。
最終段階で有効な施策は以下の通りです。
ブランドに対する共感や同調を獲得する施策
- レベル4にまで達した顧客をVIPとして扱い、いくつかの得点を提供する。
- なぜ顧客がレベル4の段階に到達したのかを分析する。
- 妥協せず、引き続き自社の商品やサービスの価値を向上させる。
ブランド・エクイティの成功事例【スターバックス】
もっと具体的にブランド・エクイティの構築について知りたい!
実際に成功した事例はどのようなもの?
ブランド・エクイティの構築で最も成功した事例の一つは、スターバックスです。
本項では、スターバックスのブランド・エクイティをケラーモデルと照らし合わせながら見ていきます。
レベル1:ブランド認知(Brand Identity / Salience)
- どこにでもあるから行きやすく便利
- リッチなコーヒーを手軽に飲める
レベル2:ブランドの意味づけ(Brand Meaning)
- ブランドのパフォーマンス(Brand Performance)
- 高品質なコーヒー豆
- 多様な種類のドリンク
- パーソナル化されたサービス(トッピングなど)
- 快適な空間
- ブランドのイメージ(Brand Imagery)
- 洗練されていてエレガント
- カジュアルで快適
- ”サードプレイス”
- 進歩的でスマート
レベル3:ブランドに対する反応(Brand Response)
- ジャッジメント(Judgments)
- 高品質な
- 安心できる
- 信頼できる
- フィーリング(Feelings)
- 快適な空間でリラックスしながらコーヒーを飲める
- 自宅でも職場でもない”第三の場所”としてくつろげる
レベル4:ブランドに対する共感や同調(Brand Resonance)
- 習慣的に利用したいカフェ
- おしゃれで洗練されているリラックススペース
ブランド・エクイティを測定する3つの方法
自社がどれくらいのブランド・エクイティを確立できているのか知りたい!
測定方法にはどのようなものがあるの?
ブランド・エクイティの測定には様々な方法がありますが、ここでは次の3つを紹介します!
ブランド・エクイティの測定方法
- ネットプロモータースコア(NPS)で測定
- 財務情報からの測定
- ブランドリプレイス費用から測定
それぞれ詳しく見てみましょう。
ネットプロモータースコア(NPS)で測定
ネットプロモータースコア(NPS)は、もともとは顧客のロイヤリティを測るための指標です。
ケラーモデルのレベル4からもわかるように、ブランド・エクイティにとってロイヤリティの獲得は最終目的です。
そのため、このネットプロモータースコアを測れば、ブランド・エクイティを測定することも可能と言えます。
具体的な測定方法は、
ネットプロモータースコア(NPS)
1.顧客に「自社の商品やサービスをどの程度勧めたいか」を0~10の11段階で評価してもらう。
2.そのうち、
・0~6 = 批判者
・7~8 = 中立者
・9~10 = 推奨者
として区別する。
3.「推奨者」の割合から「批判者」の割合を差し引く。
このようにして出てきた結果がNPSとなります。
財務情報からの測定
M&Aなどで発生する企業の超過収益力の合計から、ブランド・エクイティを測定することもできます。
企業の買収・合併において評価の対象となるのは純資産だけでなく、無形の資産もまた上乗せされます。
このような無形資産を「超過収益力」あるいは「のれん」と言い、そのなかではもちろんブランドの価値も加味されます。
専門的な知識を持つ人々が財務情報から企業の価値を計算し、そのなかでブランドがどれほどの影響力を持っているかを検討することで、ブランド・エクイティがどれほどのインパクトを持っているかを知ることができます。
ブランドリプレイス費用から測定
ブランドリプレイス費用とは、当該ブランドが全く認知されていない地域で新たにブランド展開をした場合、どれほどの活動費用を要するかを算出した値です。
例えば以下のような費用から算出されます。
ブランドリプレイス費用から測定
- アイデンティティを確立するまでの費用
ロゴ制作費用やキャッチコピーの宣伝、Webサイトの構築などにかかる費用 - 認知を獲得するための費用
直接的な広告宣伝費などで、Web広告や雑誌、TVCMなどの出向費用 - 顧客を維持するための費用
CRMツール(顧客リレーションシップ管理ツール)にかかる費用など
以上のような費用を合算した金額をブランド・エクイティの価値として評価することができるのです。
ブランド・エクイティは最強の武器
これまでの内容をまとめると以下のようになります。
ブランド・エクイティとは
ブランドの名前やシンボルに結びついた、形のない資産
ブランド・エクイティを確立するメリット
1.消費者の安心と満足につながる
2.企業の安定的な成長に貢献
ブランド・エクイティの構成要素【アーカーモデル】
- ブランドロイヤルティ(Brand Loyalty)
- ブランド認知(Brand Awareness)
- ブランド連想(Brand Associations)
- 知覚品質(Perceived Quality)
- その他の無形資産
ブランドとは目に見えない無形の資産ですが、そのインパクトは計り知れないほど大きいことがわかったのではないでしょうか。
顧客からのフィードバックを上手く活用しながらブランドを確立できれば、安定的なビジネスの成長につながります。
この記事がブランド・エクイティ確立の一歩につながれば幸いです。