仕事にはだいぶ慣れたけど、このまま続けていいのかな…?
成長したい!
けど、どうすれば良い?
長い期間、慣れた環境で同じような業務を毎日こなしていませんか?そんなあなたは、もしかすると「コンフォートゾーン」にいるのかもしれません。確かにコンフォートゾーンはストレスが少なく居心地の良い空間ですが、居続けることには大きなデメリットが伴います。
そこでこの記事では、コンフォートゾーンから抜け出して自己成長を促す方法を詳しく解説いたします!
コンフォートゾーンとは?
本項目では、「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」、「パニックゾーン」といった3つの心理的領域について解説していきます。
コンフォートゾーン
コンフォートゾーンとは、精神的な負荷が少なく、自分が心地よいと感じる環境や状態のことを指します。
コンフォートゾーンではストレスを感じにくいため、安心して過ごすことができます。
人間は誰しも不安や恐怖を避けたいと思うのが自然であり、その意味でコンフォートゾーンは生きていくうえで必要な領域であると言えます。
しかし、コンフォートゾーンに居続けると、新しい知識や経験を獲得することができません。
人間はコンフォートゾーンにいるあいだ、いつも決まったルーティンばかりをこなすことになるため、自己成長が妨げられてしまうのです。
ラーニングゾーン
コンフォートゾーンを抜けた先には「ラーニングゾーン」があります。 名前のとおり、新しい事柄を「学ぶ」領域です。
例えば次のようなチャレンジは、ラーニングゾーンに身を置いていることになります。
ラーニングゾーンでのチャレンジ
- 自分が持っている能力よりも少し高いスキルを要求される仕事をする
- これまで経験してきたポジションとは異なる視点を求められる業務をする
ラーニングゾーンでは、新しい知識や経験を獲得することができます。
未知の事柄と向き合うため、コンフォートゾーンに比べて不安を感じやすいでしょう。
ですが、ラーニングゾーンでのストレスは許容範囲を超えない適度なものであるため、むしろ集中力が向上することもあります。
また、ラーニングゾーンで得た成功体験が、自己肯定感の向上にもつながります。
パニックゾーン
適度なストレスは自己成長を促しますが、過剰なストレスのかかる「パニックゾーン」では、むしろ成長が妨げられます。
パニックゾーンでは、これまでの経験が全く通用しません。
あまりにも過酷な試練を与えられると極端にパフォーマンスが下がり、自己肯定感が著しく低下します。
結果として無気力感にさいなまれ、成長への意欲を失ってしまうでしょう。
パニックゾーンでの経験は、長期間にわたって成長を阻害する要因にもなりかねません。
そのため、なるべくこの領域に身を置くことは避けた方がよいと言えます。
コンフォートゾーンに居続けるとどうなる?
コンフォートゾーンでは不安を抱くことなく過ごせて快適です。
しかし、コンフォートゾーンに居続けることには、次のようなデメリットがあります。
コンフォートゾーンに居続けるデメリット
- 自己成長ができない
- コンフォートゾーンを抜け出すことができなくなる
- コンフォートゾーンが小さくなる
次項から詳しく解説していきます。
自己成長ができない
コンフォートゾーンにいる人は成長できません。 なぜなら、慣れ親しんだルーティンばかりを繰り返すことになるからです。
ルーティンをこなすだけの毎日は確かに何も考えなくて良いので楽ですが、思考回路が固定されるというデメリットがあります。
思考回路の固定化は、決まったモノの考え方しかできないようにしてしまうため、創造性が欠如してしまうでしょう。
また、新しい経験をすることもないため、決まった事柄にしか対応できなくなります。
さらに多様な知見を得る機会も失い、時代の変化についていけなくなるという深刻な問題も生じます。
コンフォートゾーンを抜け出すことができなくなる
居心地の良い環境に長いあいだ居続けると、そこから抜け出すのが年を追うごとに億劫になってしまいます。
コンフォートゾーンに居続けた人は思考回路が固定されているので、新しい視点を受け入れることができません。
そのため、たとえ多様な知見に触れたとしても、それを自分のなかに落としこむことができなくなってしまうのです。
未知の経験や情報に対する理解が及ばず、結果としてラーニングゾーンに対する不安が大きくなります。
そして、ますます成長する機会を失うことになるのです。
コンフォートゾーンが小さくなる
コンフォートゾーンに居続けると、コンフォートゾーン自体が小さくなってしまうことも考えられます。
現代社会は時代の流れが加速度的に早くなっています。5年前まで常識だったことが、現在では通用しなくなっていることもあります。
慣れ親しんだルーティンばかりを繰り返していると、いつの間にか使い物になくなっていることもあります。つまり、必然的にコンフォートゾーンは小さくなってしまうのです。
新しい事柄への対応力も低下しているため、コンフォートゾーンを抜け出すことも難しくなっています。
「自分が安心できる領域もなくなってしまうのではないか」という不安と戦わなければならなくなるのです。
コンフォートゾーンを抜け出すメリット
コンフォートゾーンを抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことで得られるメリットは多くあります。
たとえば次のようなメリットが挙げられるでしょう。
コンフォートゾーンを抜け出すメリット
- レジリエンス(困難を乗り越える力)の向上
- 創造性を刺激
- 自己成長の促進
次項から詳しく解説していきます。
レジリエンス(困難を乗り越える力)の向上
コンフォートゾーンを抜け出すと、レジリエンスを向上させることができます。 レジリエンスとは、困難な状況に遭遇しても適応して乗り越える力のことです。
たとえば、筋トレを思い浮かべてみてください。筋トレは筋肉に負荷をかけることで繊維を壊しますが、身体は壊れた繊維を治すことで筋肉を大きくしていきます。
レジリエンスもまた筋肉と同じです。ラーニングゾーンでの不安や緊張感は、精神に負荷をかけます。しかし、その負荷が適度なものである場合、レジリエンスの向上につながるのです。
ラーニングゾーンで適度な不安や緊張感を繰り返し経験することで、レジリエンスは筋肉のように少しずつ高まっていきます。そして、さらに新たなチャレンジをすることに耐性がつき、自己成長の好循環が生まれるのです。
創造性を刺激
コンフォートゾーンを抜け出すと、創造性を刺激することにもなります。
ラーニングゾーンでは新しい事柄を経験し、多様な知見に触れることになるため、新しい思考回路を開拓できます。 すると、同じ事柄に対しても、これまでは気づくことのできなかった側面を発見することにつながるでしょう。
何もないところからクリエイティブな発想が生まれることはありません。ラーニングゾーンに身を置くことが創造性の向上につながるのです。
自己成長の促進
コンフォートゾーンを抜け出せば、言うまでもなく自己成長を促すことができます。
新しい経験はスキルとなり、ラーニングゾーンで得た知識は視野を広げることに役立ちます。
また、柔軟な思考による課題解決やリーダーシップを身に付けることができるでしょう。
コンフォートゾーンを抜け出す方法6ステップ
コンフォートゾーンを抜け出すことには、大きなメリットがあることがわかりました。
では、実際にコンフォートゾーンを抜け出すためには何をすればよいのでしょうか? 本項ではコンフォートゾーンを抜け出す6ステップをご紹介します!
コンフォートゾーンを抜け出す6ステップ
STEP1自分の現在地を把握する
STEP2なりたい自分を明確にする
STEP3目標を達成するための具体的な計画を立てる
STEP4小さなステップを積み重ねる
STEP5頼りになる人たちと繋がりを持つ
STEP6ポジティブなマインドを維持する
STEP1|自分の現在地を把握する
まず第一に、いま自分がどのゾーンにいるのかを「精神状態」と「環境」の2つの側面から把握しましょう。
精神状態
- コンフォートゾーン
ストレスがないどころか退屈さえ感じる - ラーニングゾーン
適度な不安や緊張とともに新しいことへの楽しみがある - パニックゾーン
体調を崩すほどの不安や緊張がある/自己肯定感が低下し、無気力になる
環境
- 業務内容
- 役割
- 人間関係
⇒ 長いあいだ同じ環境が続いているのであれば、コンフォートゾーンにいる可能性が高いです。
STEP2|なりたい自分を明確にする
次は理想の自分を具体的にイメージし、書き起こしてみましょう。
目的を持たずにラーニングゾーンに身を置くのでは効果が低いです。なぜなら、目指すべき目標がなくて非効率なうえに、ストレスや緊張を乗り越える動機もないからです。
なりたい自分が明確でなければ頑張る理由もないので、いつの間にかコンフォートゾーンに戻ってしまいます。
目標設定には「SMART」というフレームワークを活用すると良いでしょう。
SMART
- Specific(具体性)
- Measurable(測定可能性)
- Achievable(達成可能性)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(期限の設定)
STEP3|目標を達成するための具体的な計画を立てる
目標を設定したら、あとは具体的な計画を立てて実行するだけです!
計画を立てることで、自分の目標により現実味を持たせましょう。
何から始めるべきかを明確にすることで最初の一歩を踏み出せるようになり、ラーニングゾーンに身を置き続ける動機も確かなものにできます。
STEP4|小さなステップを積み重ねる
計画を立てることができたら、最終的な目標達成につながる「小さなゴール」を設定していきましょう。
ひとつの目標を達成するのに負荷が大きいとモチベーションが下がってしまいます。
大きな目標を小さなステップに分解して、短期的に達成可能な小さなゴールを設定しましょう。
ひとつずつ成功体験を積み重ねていくことで自己肯定感も上昇し、モチベーションを維持することができます。
STEP5|頼りになる人たちと繋がりを持つ
一人では乗り越えられないことでも、人との繋がりがあるだけで精神的な余裕が生まれてゴールに近づくことができます。
また、ともに成長する仲間を見つけることができれば、心理的安全性が向上することも期待できるでしょう。
ラーニングゾーンに身を置き続けることは疲れますが、頼りになる人物がいることで忍耐強くなるのです。
また、アドバイスをもらったり、お互いを認め合ったりすることで成長を促進することもできます。
STEP6|ポジティブなマインドを維持する
ラーニングゾーンでは新しいことに挑戦するため、失敗がつきものです。
失敗するごとに落ち込んでしまうと、ラーニングゾーンに身を置き続けることはできなません。
ラーニングゾーンでの経験を失敗体験として終わらせないためにも、ポジティブなマインドを維持して挑戦し続けることが大事です。
コンフォートゾーンは抜け出して広げるもの
コンフォートゾーンを抜け出してラーニングゾーンに身を置くことは、確実に自己成長につながります。
はじめは勇気のいることですが、新しいスキルを獲得して目標を達成してしまえば、そこはもはやコンフォートゾーンとなっているでしょう。
コンフォートゾーンが広がれば、それまでパニックゾーンだった領域がラーニングゾーンとなります。つまり、さらなる成長が見込めるようになるのです。
また、コンフォートゾーンを抜け出して成長するほど、安心できる領域も広がっていきます。心理的安全性の向上は挑戦への威力につながるでしょう。
なりたい自分に近づくためにも、この記事がコンフォートゾーンを抜け出すきっかけになれば幸いです。